バソンの会

20世紀の半ばまで、フランスでは全員がバソンを吹いておりましたが、1969年にカラヤンがパリ管の音楽監督に就任したのを機に、 パリ管の首席奏者、センダ氏がファゴットに転向し、大問題になりました。
そこで当時のパリオペラ座首席、モーリス・アラール氏が中心になり 「Les Amis du Basson Francais」が発足、この問題の解決に当たりましたが、時代の趨勢には勝てず、徐々にファゴットが普及し、 最近ではファゴットとバソンの割合は、ほぼ半々ぐらいというような状況になっているようです。 その「Les Amis du Basson Francais」もアラール先生引退と同時に、自然消滅してしまいました。
そこで、1995年の初夏、私の兄が経営していたレストラン「チャコ」に12 人の仲間が集い、それに私を加えて、 なにやら「最後の晩餐」のように、しめやかに「日本バソンの会」が誕生しました。 私達の会の正式名称は「Les Amis du Basson Francais au Pays du Soleil Levant」と申します。 日のいずる国日本より、フランス文化と伝統の産物ともいえるバソンの衰退に警鐘を鳴らし、 バソンの魅力が再認識されるようにとの願いを込めました。
最初は、せめて3年位は続けたいとの思いでしたが、すでに創立10年を過ぎ、仲間達も60名を越え「白川高原牧場」や「奄美大島」 での合宿、パリ、カーン、アングレームでのコンサートなどを行いながら、バソンの妙なる音色を楽しんでおります。
その後、フランスでも1998年にパリオペラ座の若き奏者、ルフェヴル氏を中心に「Les Amis du Basson Francais」が復活し、 バソンの普及、発展が大いに期待されましたが、よりによってそのルフェヴル氏がファゴットに転向しバソンの将来が危ぶまれる状況に なっております。 しかしながら、フランスの景色や香りあるいは、文化や伝統を具えたこの楽器の魅力は、決して色褪せる事はないでしょう。
バソンに興味をお持ちの方は、「日本バソンの会」のホームページをご覧ください。

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